行政書士のお仕事Q&A

電子申請

Q1
そもそも電子申請とはなんですか?
A
都道府県庁や市役所などの官公署への各種申請・届出等手続きを、紙の書類を使わずにインターネットを利用して行うためのしくみです。
Q2
電子申請になると何が便利になるのですか?
A
官公署の窓口にわざわざでかけなくても、自宅や職場のパソコンから申請ができます。原則として1年365日24時間いつでも申請ができます。また、申請の進捗状況をパソコンの画面で確認することもできます。
審査を実施するのは各申請窓口の担当者ですから、休日に電子申請をしてもすぐに審査が開始されるわけではありません。将来、人間の判断が必要な箇所以外はすべてコンピュータで自動チェックされるように審査システムが整備されれば、休日中にも審査が進行し、審査期間が大幅に短縮される可能性もあると期待されてます。
Q3
電子申請のやり方のイメージが浮かんで来ないのですが?
A
大まかには次のようになります。
電子申請の流れ
  1. 子申請をするためにパソコンの環境を整えます。
  2. 電子申請利用の申し込みをします。
  3. 官公署のホームページからマニュアルや申請用アプリケーションを自分のパソコンにダウンロードします。
  4. 申請書の作成、送信を行います(添付書類や電子証明書も添付する)。

※電子署名が必要な手続の場合、あらかじめ取得しておいた電子証明書により電子署名を行い、申請書を送信。電子署名が必要ではない手続の場合は、そのまま送信。
なお、簡単な申請ならば、ホームページ上に表示された申請画面の空白の欄に必要事項を記入して「送信」あるいは「申請」ボタンを押すだけでOKというものがあります。
詳細については、申請を受けつける官公署のホームページに手順が説明されていますのでそれらを参照してください。

Q4
セキュリティは十分配慮されているのでしょうか?
A
一般に、インターネットによる電子申請においては、次のような脅威があると言われています。
  1. 盗聴・漏洩(通信途中で送信したデータの内容を第三者に盗み見されてしまうこと)
  2. 改ざん(送信したデータが第三者に書き換えられて送信されること)
  3. なりすまし(第三者があたかも送信者、受信者であるかのように装い、送受信を実行すること)
  4. 事実否認(送信者又は受信者が送信又は受信したことを否定すること)
紙で申請書類を提出する場合においても上記の脅威は存在しますが、我々は申請書類に実印を押し、印鑑証明書を添付し、書類全体を封筒にいれて、担当窓口に直接提出する(あるいは郵便制度を信頼して郵送する)ことによって対応しています。
これと同様の対策をインターネット上では、暗号化と電子認証という技術を用いて実現しようとしています。それは、次のような仕組みになっています。
暗号化は、公開鍵暗号方式を採用します。電子申請をしようとする人は、あらかじめ認証局と呼ばれる申請者の認証を行う機関に「公開鍵」を登録し、「公開鍵」が申請者のものであることの証明書(電子証明書:これが印鑑証明書に相当)を発行してもらいます。そして申請者は、申請書を「秘密鍵」で暗号化し、電子証明書を添付して官公署に送信します。
受信した官公署は、認証局に照会してその電子証明書の有効性を確認し、電子証明書に添付されている申請者の「公開鍵」で、暗号化された申請書を解読して受け付けることになります。
Q5
マイナンバー制度とは、どんなものですか。マイナンバーによって、国民を背番号で管理すると聞きましたが、本当ですか?
A
マイナンバー制度は、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関が保有する個人の情報が同一人の情報であることを確認するための制度です。そのポイントは、行政を効率化し、国民の利便性を向上させ、公平・公正な社会を実現することです。この制度は、国が新たに個人情報を収集・管理するのではなく、あくまで行政機関がこれまでに持っていた個人情報を社会保障、税、災害対策の分野に限定したうえで利用し、スムーズかつ公平に手続きを行うための制度です。したがって、国家による個人情報の一元管理を行うものではありません。
Q6
マイナンバー制度には、どのような個人情報保護の措置が講じられていますか。個人情報が流出しないよう、十分な対応がなされているか心配です。
A
マイナンバー制度では、マイナンバーの利用範囲や機関の間での情報連携の範囲を法律で制限するとともにマイナンバーのみでは手続きができないようになっています。システム面でも情報の分散管理やシステムへのアクセス制御、通信の暗号化などが図られています。また、独立性の高い第三者機関である個人情報保護委員会による監視・監督が行われており、故意にマイナンバーを含む個人情報の不正提供が行われれば、厳しい罰則が適用されます。
Q7
電子署名や電子証明書とは何ですか?
A
「電子署名」とは、電子データが本人によって作成されたことを証明するための電子的な記録・署名のことです。いわば「実印」の役割をします。間違いなく本人から送信されたものであるということを確認できるため、成りすましやデータの改ざんを防ぐことができます。
「電子証明書」とは、「電子署名」が間違いなく本人から送信されたものかを確認する為に用いられるもので、いわば「印鑑証明書」の役割をします。電子証明書は、第三者機関が発行する電子的な証明書です。
Q8
公的個人認証サービスとは何ですか?
A
行政機関等への電子申請を安全に行うため、本人確認をする際用いられる電子証明書を発行する公的なサービスです。
この電子証明書は市区町村の窓口で発行され、ICカード(マイナンバーカード等)に格納されます。
Q9
マイナンバー制度を導入することで、どのようなメリットがあるのですか?
A
マイナンバー制度導入には、以下のようなメリットがあります。
  1. 行政の効率化
    マイナンバー制度導入後は、国や地方公共団体間での情報の連携が行われ、行政手続きが、正確かつ迅速に進むようになります。
  2. 国民の利便性の向上
    手続き上必要な添付書類の削減など国民の負担が軽減されます。
  3. 公平・公正な社会の実現
    国民の所得や行政サービスの受給状況が把握しやすくなり、負担を不正に免れることや不正受給の防止につながります。その結果、本当に困っている方へのよりきめ細かな支援が可能になります。
詳細につきましては、総務省、内閣官房ホームページをご参照ください
 総務省 マイナンバー制度
 http://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/01.html#kiban

 内閣官房 マイナンバー 社会保障・税番号制度
 https://www.cao.go.jp/bangouseido/